ストレートな歌詞が胸に刺さります
20代のアーティストがたくさん存在する中で、あいみょんが歌う曲には強いメッセージ性があります。メジャーデビュー前の楽曲では、「死」という言葉を直接的に表現していました。「自分を愛してくれないのなら死ねばいい」と、過激な歌詞が一時放送禁止になるなどしましたが、その曲は心に突き刺さるものです。人は自分が可愛いものでしょう。そして、自分は好きなのに、その人が自分を愛してくれないと、その感情は憎しみに変わってしまうことがあると思います。あいみょんの歌には、私たちが生きているなかで、思っているけど言葉にしないようなことをうまく表現しています。例えばほかの曲では、“恋の成就を願いながらも実際はうまくいかなかったんだろうな。”とこちら側が想像できるようなものもあります。「恋なんてしなきゃよかったと、あの時もあの夜も思っていたの。今、わたし、恋をしている。裸の心震わせて」と恋愛の苦みと、だけど恋をしてしまう人間の心の複雑さを、セリフのように語っています。あいみょんの歌詞は、すべてあいみょん自身が作っています。そしてそれは、まるでひとつの物語や詩のようなのです。歌詞を朗読してみても、まったく違和感がありません。音楽だけでなく、あいみょん自身が紡ぎだす言葉に注目しながら、彼女の楽曲を聴くのもひとつの楽しみ方です。