ジュピタリア

ジュピタリア

『ジュピタリア』とは、『週刊ヤングジャンプ』2020年24号から2021年9号にかけて連載された、梶山昊頌によるSF漫画作品である。単行本は全4巻。2150年の宇宙大航海時代を舞台に、太陽系最大の惑星である木星圏を巡る過酷な現実と、そこに生きる人々の人間模様を描いた新世代の宇宙開拓SFロマンである。美麗かつ精緻に描かれる宇宙空間の描写や、差別やアイデンティティといった重厚なテーマ性、そしてまだ見ぬ世界へと突き進んでいく躍動感あふれるストーリー展開が特徴の作品となっている。
時は2150年、人類が宇宙へと進出し、木星に眠る豊富な天然資源を求めてその周囲に新たな生活圏を築き上げた時代。木星の第4衛星であるカリストに暮らす少年リコ・アルベローニは、木星圏の無重力環境下で生まれた新人類「ジュピタリアン」であった。しかし、リコはその特有の体質ゆえに周囲から異端視され、学校では不当な差別を受け、研究所では単なる実験データや研究対象として扱われるという、孤独で不遇な日々を余儀なくされていた。未来に希望を持てず、今日という日を踏み出すことすらできずにいたリコだったが、ある日、壊れた船体のサルベージを生業とする“回収屋”の男・レイジと運命的な出会いを果たす。
レイジとの出会いをきっかけに、リコはカリストの狭い閉鎖的な世界から一歩を踏み出し、過酷ながらも自由な宇宙の海へと漕ぎ出すことになる。厳しい環境下でのサルベージの仕事や、宇宙で出会う様々な人々との交流を通じて、リコは自身の宿命と向き合い、自らの手でまだ見ぬ明日を切り拓く強さを身につけていく。木星圏を取り巻く国家や企業の思惑、そしてジュピタリアンを巡る大いなる謎が絡み合いながら、少年の成長と壮大な宇宙開拓の歴史が幕を開ける。

kizuka_kazuki1のレビュー・評価・感想

ジュピタリア
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初連載の宇宙SF作品

時は、西暦2150年、宇宙大航海時代。人間が宇宙で活動することが当たり前になり、人類は資源を求めて遥か彼方の木星へ豊富な天然資源を求めて進出していました。主人公である木星圏の学校に通う少年リコは、無重力下で生まれたジュピタリアン。彼らは1Gの重力では暮らせないひ弱な肉体を検査され続ける研究対象である。クラスメイトからも先生からも疎まれるリコは、宇宙に放置された壊れた船を回収する男・レイジに誘われて、“回収屋”の世界を知る。「無重力の宇宙なら自分の弱い体でも役に立てる」と自分の存在意義を見つけたリコは、宇宙に何を見るのか。危険が伴う広い宇宙に一歩を踏み立すという、新世代宇宙開拓SFロマンが始まる。作者にとって初連載となる典型的なジュブナイルSF。全体的に未熟さが目につく。宇宙SFということだが、『カウボーイビバップ』と『プラネテス』を足して10倍に希釈したような感じ。木星生まれの主人公の特性も、いわゆるニュータイプに近い。もう少し目新しさというか、特に新人なら分かりやすく斬新なアイデアが欲しいところ。ヤンジャン連載作品としては絵が幼い印象。苦しい現状から自分の居場所を見つける王道ストーリーになっていて、すごく読みやすい。差別されてきた個性を活かして人を助ける、読み心地の良い作品。