ルビー・スパークス / Ruby Sparks

ルビー・スパークス / Ruby Sparks

『ルビー・スパークス』とは、2012年にアメリカで製作された、『リトル・ミス・サンシャイン』のジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督が送るラブロマンス映画である。小説家の青年カルヴィンは、天才と称されデビューを果たしたものの、極度のスランプに悩まされていた。そんな中、夢に出て来た理想の女性ルビーについて小説を書き始めると、寝食を忘れるほど夢中で書き進めることが出来た。するとある日突然、現実の世界でルビーがカルヴィンの前に現れたのだった。

nishiのレビュー・評価・感想

ルビー・スパークス / Ruby Sparks
10

思い通りにはならない…!

本作は『ポール・ダノ』が扮する『カルヴィン』と、『ゾーイ・カザン』扮する『ルビー・スパークス』のラブストーリー。
一度は売れたものの、そこから低迷期が続く小説家のカルヴィン。
そんなスランプを抜け出すために、ルビー・スパークスを主人公にした小説を書き始める。
すると突然、現実の世界にルビーが現れる。
しかも小説を書けば書くほど、彼女は思い通りになる。
つまり自分の好みに合わせて、ルビーを理想の彼女に設定できるのだ。
自分の恋人が自分の思い通りになるなんて、なんて理想的なんだろう。
物語の途中までは幸せそうな二人をみて、羨ましくなってしまう。
この時点でカルヴィンは小説を書くことをやめる。
しかし、物語の中盤からルビーの様子がおかしくなる。
小説の中のルビーではなく、現実世界のルビーとして自我を持ち始めるのだ。
段々と二人の関係も崩れていく。
思い通りにならないことに苛立つカルヴィンは、再び小説を書き始め、ルビーを都合のいいように変えてしまう。
ここから物語は終盤へ。
自分がおかしいことに気づき苦しむルビーと、自分の欲望のままにルビーを変えようとする、狂気じみたカルヴィン。
物語の中盤とは一転して、軽くホラーチックな展開になっていく。
二人の幸せそうなシーンにキュンとさせられたかと思えば、ハラハラドキドキもさせられる。
観る人の感情を忙しくさせる映画である。

「単純なラブストーリーじゃ満足できない!」、「人間の欲望むき出しな映画が観たい!」という方にも、ぜひオススメしたい映画だ。