売れてるけど、さらに売れていいバンド
『the pillows』はボーカル・ギターの『山中さわお』、ギターの『真鍋吉明』、ドラムの『佐藤シンイチロウ』からなる、ロック・バンド。ミスチルやスピッツ等と同世代のバンドになる。1990年代半ばまでメンバー脱退や、バンドの方向性の模索等で、バンドの存続すら危ぶまれたが、1996年以降は神がかり的に良質なロック・ソングを世に送り続けている。そのきっかけとなった名曲『ストレンジ・カメレオン』は、何度聴いても色褪せない『切なさ』『哀愁』に溢れている。「バンドが消えてもいい」という覚悟すら感じるこの曲で、the pillowsは評価を受け、やりたかった音を鳴らし始めた。特に、1997年からリリースした4枚のアルバム、『プリーズ・ミスター・ロストマン』、『リトル・バスターズ』、『ランナーズ・ハイ』、『ハッピー・ビバーク』は、どこを切っても素晴らしい楽曲ばかり。最近、アクエリアスのCMでUruがカバーした『funny bunny』も、この頃の彼らの作品。今活躍している若手ミュージシャンの中にはこの頃のthe pillowsの作品に影響を受けたバンドも多い。武道館や横浜アリーナをソールドアウトにする彼らは間違いなく売れているが、さらに売れてもおかしくないバンドだ。彼らがそれを望んでいないとしても。