それは必要悪か否か。
あのシャーロック・ホームズの敵!?宿敵のジェームス・モリアーティのお話です。
舞台は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン。
古くからこの国に根付く完全階級制度により、人は生まれ落ちた家の格と血でのみ一生涯の身分が決まっていました。
命の価値は同じである筈なのに、誰しもが平等に幸せになる権利がある筈なのに、この国にはそれがない―――。
それを変えようと、大英帝国と闘おうとしたのがのちの“ジェームス・モリアーティ”なのです。
その彼の思想に共感したアルバート・ジェームス・モリアーティが、のちの“ジェームス・モリアーティ”を家に招き、実弟のウィリアム・ジェームス・モリアーティとの入れ替わりを成功させます。
“ジェームス・モリアーティ”のプランにより、“完全犯罪”にてウィリアム・ジェームス・モリアーティとなった彼は、着々と同志を集めていきます。
そしてダラム大学にて教鞭を取ることになった頃、最初の貴族抹殺により階級制度に苦しめられていた人を救います。
そう、ウィリアム・ジェームス・モリアーティは犯罪という方法で、人々の、大英帝国の目を覚まさせるという手段をとるのです。
そして警察や司法では裁けない特権階級の悪魔(貴族)共を“ジェームス・モリアーティ”たちが始末し、シャーロック・ホームズにその事件を解かせて貴族の腐敗を世に喧伝させる……文字通り闇に光を照らす主人公として、シャーロック・ホームズを抜擢したのです。
国を憂うジェームス・モリアーティの行く末から目が離せません。