藤井風は日本の新しいR&Bを切り開く
インターネットによるyoutubeや音楽配信サービスが中心となった時代に、彗星のように飛び出してきたアーティスト・藤井風。彼が一躍有名となったのは「優しさ」という楽曲でしたが、初めて聞いた時の印象が深く忘れられません。R&Bを基調としたサウンドに、独自の歌詞がうまく融和し、彼の歌唱力の幅も相まって、ジャンルを超えた今までに聴いたことのないポップソングだと思いました。これはどえらい人がデビューしたな、と。続くファーストアルバム「HELP EVER HURT NEVER」を聞いたところ、あまりの楽曲のセンスの良さに脱帽してしまいました。そのボーカルセンスはどことなくオリジナルラブを彷彿とさせるところもあるのですが、キャッチーなメロディラインに乗せて歌われる彼の歌声は、R&B、ポップス、歌謡曲、ロックといった様々な音楽の影響を感じさせます。ポップなのに安っぽい感じがしなく、音楽通の耳にも止まるような微妙なセンスの楽曲と、心のひだをとらえるような歌詞が胸に響き、しばらくこのアルバムばかりリピートして聞いていました。世代を超えて愛されるような楽曲を、これからも作っていってほしいと思います。本人は英語の曲もカバーしているようですが、日本語の歌詞の方が断然いいと私は思いました。