真実を超える虚構
アニメ十二話、漫画(6巻、アニメ化部分)鑑賞済。
ずっと読み進めて、あるいは見続けて、虚構にどっぷりつかった後、
九郎の、「でも おまえは花より綺麗だから 僕はどこにも返していないだろう?」という真実の言葉が、より鮮やかに胸に染みわたりました。個人的には漫画(白黒)の方がより深く闇落ちし、その分、このシーンを開いた時の感動が増す気がします。
キャラクターについても、主人公・琴子がとても超人的(神)ながら、やはり最後で人の女の子としての素が出る、という所も、とても心地よいものでした。
推理物ではありますが、真実を見つけ出すのではなく、虚構を作り出す事で真実かもしれないものを含め、全て上書きしていく。まさに「虚実の曖昧な世界」であるだけに、説明はたくさん必要でしたが、その分、しっかり入り込めると、最後のシーンがとても微笑ましくなるのではないでしょうか?
今の時代、数多のアニメや漫画があり、またインターネットの普及で、レビュー等も簡単に確認出来る時代となりました。この作品についても、様々な評価はあると思います。あと考えてみれば、この作品のキー要素の一つであるアイドルの苦悩といった所は、今の世相に照らし合わせてみてもタイムリーな事象ですね。
また忘れたころに読み返してみたい、また映像で楽しんでみたい、そんな作品だと思います。