泣ける青春物語
「?膵臓をたべたいとは?」と引き付けられるタイトルです。映画のキャストでは、高校時代の設定は浜辺美波、北村匠海、大人になってからの設定では、小栗旬、その友人役に北川景子という美男美女揃いなのも興味を惹きつけられました。高校時代、普段は関わることがなかった人気者クラスメイトの病気を偶然知ってしまった青年が彼女と関わりを持ち、二人の関係性を深めていく…というストーリーです。『君の膵臓をたべたい』というこの言葉の中に、作品の甘酸っぱさや切なさ、憧れなどの素晴らしさが全てギュッと閉じ込められていました。王道な展開ならば、病気の彼女に恋をし、恋愛をし、死までの期間にお互いの青春をぶつけ合うようなストーリーなのでしょうが、この作品は、お互いが相手に興味を持ち恋愛に発展するのではなく、恋愛にも近いような、それでいて遠いような、不思議な関わり方をしていく姿がとても新鮮で、ありきたりでなくとても美しく感じられました。
そして、二人だけの世界で終わるのではなく、友人への確かな愛情と思いやりも描かれているストーリーになっていて、二人だけの世界とは別に、この時期にしか味わえない青春を感じられる映画になっていました。