君の心(ペン)は燃えているか?
今回取り上げるのは青年漫画「吼えろペン」である。
読むと自分の心が燃え上がり、辛い現実に立ち向かっていく勇気(蛮勇)を貰える。
そんな気がする漫画である。
<1.冊子情報>
小学館 月刊サンデージェネックスで掲載されていた漫画で、全13巻完結済み。
作者は「アオイホノオ」で話題になった島本和彦先生。
前シリーズとして「燃えよペン」(全1巻)
本シリーズ「吼えろペン」(全13巻)
続編として「新吼えろペン」(全11巻)がある。
<2.概要>
主人公 漫画家の炎尾燃(ほのお もゆる)が、魂をかけて漫画を執筆する「熱血漫画執筆物語」である!
(書いていて小恥ずかしいのだがこの表現で言い切るしかない)
毎回様々な苦境(主に締め切り)に対して、主人公の熱い言葉と行動によって乗り切る(たまに編集から逃げ切る)ストーリーとなっている。
昭和の漫画・特撮大好きな作者の嗜好として、全体的に話が「昭和の熱血ノリ(ただし文系)」となっているので、万人向けではないことを注釈しておく。
<3.話の展開について>
ストーリーはほぼ1話形式(たまに2話〜3話形式もある)である。
すべて漫画に関わる話であり漫画業界に詳しくなれると思いきや、大体大げさに話がそれてくるので鵜呑みにしてはいけない。
<4.オススメポイント>
主人公を含めて漫画家・編集者など様々な「熱血キャラ」が登場するが、この漫画のキモは「熱血王道ストーリー」ではなく「熱血キャラによるドタバタ劇」である。
どちらかというと、『大小様々なトラブルを大の大人が「熱血(と悪知恵)」で無理くり押し通す』。
その生き様を楽しむ漫画である。
以下の名言とシチュエーションの組み合わせを見ていただきたい。
『行くか…原稿が待っている…』(殺人犯を取り押さえたアシスタントを迎えに行った際に)
『それで、おれに勝ったつもりかああっ!!』(サイン会にてライバル漫画家に対して)
『だがマンガ家は、そんなチャチな事柄にしばられていては仕事はできん!!』(人気が大切だと訴える編集に対して)
このミスマッチ。場合によって痛々しい言葉が、強引ながらも熱い展開にて飛び出てくるため、(何故か)読む人に熱い想いを抱かせるのだ。
是非この熱い漫画を手にとって明日への活力としていただきたい!