宮崎駿の最高傑作
アニメ劇場版の「風の谷のナウシカ」は、アニメ史上にのこる傑作として有名です。
ストーリー、画面構成、演出等々、すべてが最高の水準です。
しかし、劇場版公開時には、まだ原作は完結前であり、完結したのは、劇場版公開から10年あとでした。
原作のほうは、トルメキアと土鬼(ドルク)という二大国の全面戦争が、メインストーリーになります。
主人公のナウシカは、トルメキアと土鬼(ドルク)の間を運命のおもむくままに、さまよいつづけます。
その中で蟲使い達が一目置く種族「森の人」といわれる人たちと出会います。
このあたりから「念話」という、一種のテレパシーで意思疎通ができる超能力者が、キーパーソンとなっていきます。
ナウシカはこの森の人から腐海についての知識を教えられます。
土鬼(ドルク)は、トルメキア軍を全滅させるべく人工の粘菌兵器をつかいます。
しかし、人工の粘菌兵器はまったく制御不能となり、土鬼(ドルク)の国土の大半が腐海となってしまう結果となります。
そして、ここから巨神兵が登場してきます。
ナウシカは育成されながら運搬されていた巨神兵を破壊しようとしますが、未成熟ながらも巨神兵は無傷の状態で誕生してしまいます。
ナウシカはアスベルからわたされていた秘石の力で、巨神兵の母親と認識されます。
ここからナウシカは、巨神兵の力を使いすべての根源である土鬼(ドルク)の主都シュワにある「墓所」を破壊することを決意します。
最後に、墓所の中心にたどりついたナウシカは、腐海の誕生をふくめ世界のすべてが地球環境の復活のための人工的なシステムだということを知ります。
しかし、ナウシカは人工的な復活システムを否定し、「私達の神は 一枚の葉や 一匹の蟲にすら 宿っているからだ」と自己存在を肯定するとともに巨神兵に命じてシステムを破壊します。
墓所の体液をあびて服が青くそまったナウシカが、生きのこった人々とともに、「苦しくても生きていきましょう」とはげますシーンで物語は終わります。
結局のところ近い将来、ナウシカらの子孫は絶滅することが運命づけられており、これは変えられません。
生きのこった諸国間の紛争もおこるでしょう。
でも『絶望しないでたくましく生きていきましょう』というのが、このストーリーの結論だろうとおもいます。
全7巻。全人類の必読書です。
おそらく、年々必要性がましてくると思います。
絶対手元において、繰り返し読みかえしましょう。