何が正義なのか
アメリカンスナイパーはクリント・イーストウッドが監督した2014年のアメリカ映画です。
公開時のキャッチコピーは「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」で、クリス・カイルの自伝、「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」が原案となっています。
2015年には興行収入3億ドルを超え、戦争映画史上最高額となっています。
また、クリント・イーストウッド作品初の、IMAX、DolbyATOMS対応でした。
主人公はブラッドリー・クーパー演じる、クリス・カイルです。
カイルはアメリカ海軍特殊部隊、ネイビーシールズの隊員です。
特に狙撃の腕は非凡で、アメリカ同時多発テロ後のイラク戦争で戦果を上げていきます。
彼は次第に味方から英雄、伝説の男、そして敵からは悪魔と称されるようになっていきます。
何度も戦場に赴き、そこでスナイパーとしての仕事をこなしていくカイルはゆっくりと、自分も周りも気づかないうちに心を蝕まれていきます。
仲間の死にも直面し、家族との溝が生まれ、自分の信念とネイビー・シールズの狭間で必死に生きているカイルもついに除隊する時がやってきます。
除隊後、アメリカでの生活でも戦地での記憶を簡単に消し去ることのできないカイルは、日々の生活に馴染めないまま医師の勧めで他の退役軍人たちとともに帰還した傷病兵のケアの仕事に就き、そこである事件が起きます。
幼い頃から教え込まれてきた「他者を守る」という信念が故に、クリスは戦争に翻弄され、多くの人を射殺し、重い犠牲を払って生きていきます。
単なる英雄物語ではなく、戦争とは何か深く考えさせられる映画です。