彼氏彼女の事情 / カレカノ

彼氏彼女の事情 / カレカノ

『彼氏彼女の事情』とは、津田雅美が1996年7月号から2005年4月号まで『LaLa』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。通称は、「カレカノ」。1996年2月号から4月号までの短期連載(全3話)として掲載された後、長期連載となった。進学校といわれる高校を舞台に、「仮面優等生」の宮沢雪野と本物の優等生・有馬総一郎が織りなす恋愛模様を描いている。過去やコンプレックスとの対峙、周りを取り巻く友人たちとの人間関係などに悩みつつも成長していく2人の等身大の姿が多くの読者の共感を呼んだ。

a_ong825のレビュー・評価・感想

彼氏彼女の事情 / カレカノ
8

かなりはまった、高校生の恋愛漫画

少女漫画の主人公は、わりと苦労しているというイメージがあるのですが、この『彼氏彼女の事情』に登場する、ヒロインの『宮澤雪乃』は、才色兼備で何をやってもそつなくこなせる、少女。
この設定だと面白い作品にするのがなかなか難しいと思うのですが、見栄の為に努力して、才色兼備を我が物にしているという設定が斬新で、すごく面白かったです。
そして、もう一人の主人公も才色兼備の名をほしいままにしている男の子。
この二人の恋愛模様がこの漫画の大筋なのですが、全面的にラブコメかと思えば、シリアスな話もあったりなど、飽きさせない展開が見どころです。
高校一年から付き合い出し、恋愛の素晴らしさ、難しさ、もどかしさを経験しながら、自分の生い立ちやコンプレックス、お互いの想いのすれ違いなどを乗り越えて進んでいく物語に、どんどん引き込まれていきます。
そして、読み進めていくうちに、主人公ふたりだけではなく、他の仲間たちにも愛着が湧いてきます。
作者は女性だと思うのですが、男性の描写も素晴らしいと思います。
タイトル通り、彼氏と彼女の様々な事情は、登場キャラそれぞれにもあり、どのキャラの物語もすごく心にグッときました。
高校生の恋愛漫画は結構読みましたが、ここまでキャラへの思い入れが強くなる漫画はあまりありません。