幸せカナコの殺し屋生活

『幸せカナコの殺し屋生活』(しあわせカナコのころしやせいかつ)とは、若林稔弥による日本の4コマ漫画作品。星海社が運営するウェブサイト『最前線』のサービス「ツイ4」で一部が公開されている。
ブラック企業でパワハラにあって退職をした西野カナコ(にしのカナコ)がなぜか殺し屋会社に転職をしたことで本人の隠れた才能が開花して天才殺し屋として活躍をする物語。物語の性質上殺人シーンはたくさん登場するが、どのようにして殺しをしていくかというよりも、殺し屋になることで不幸だったカナコがいかに生き生きした人間に成長するかが話のメインとなっている。ちなみにカナコは動物を使ったギャグを使用するのが得意である。
全カラーで登場人物はミュージシャンから名前を採用しているのが特徴。殺される人間は大半がパワハラ・モラハラといった些細な理由で標的になることが多く、殺される人物は白目になっていて瞳が描かれないので誰が殺されるのかはわかりやすくなっている。
作品は英語にも翻訳されており上記の動物ギャグも日本語版とは違う動物が使用されることもある。

yoshi_pinkoのレビュー・評価・感想

幸せカナコの殺し屋生活
8

設定はありえないが、それが気にならない面白さ

殺し屋が主人公の漫画はたくさんあります。例えば『ゴルゴ13』。これはいうまでもないほど有名な作品です。この作品も、そんな殺し屋が主人公の作品ですが、しかし、決定的に他作品と違うのは、普通に転職して、殺し屋になったということ。普通なら、もっと軍隊での経験とかが必要な感じがしますが、面接、試験を受けて、普通の会社に就職するように殺し屋になってしまう軽さがシュールです。人を殺すのが仕事ですが、当然躊躇し、後悔もします。しかし、「人を殺して飲むお酒がこんなにおいしいなんて!」などと、いったいどっちなんだ?と突っ込みたくなる描写があります。でも、それがいいんですね。ちなみに慣れてくると、喜んで人殺しをするようになっていきます。でも怖いイメージはなく、依頼者を守るために殺すなど、意外と人の役に立っている描写もあったりして、人間の業を感じさせる作品です。ちなみに、主人公のカナコはとってもかわいいです。こんなにかわいい女の子に殺されたい、と思う人も意外といるのでは?と思うくらいにはかわいいです。ただ、かわいさは関係ない業界。実は殺し屋もビジネスで、普通の会社員と同じなのだと思えば、感情移入もしやすくなるでしょう。そういう作品なのかもしれません。