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前半はよいがそれだけに後半のグダリが目立つ一作
いわゆるスポーツものとくくってしまえばそれだけなのだが、相撲という「名前は聞いたことがあるが実は良く知らない」というスポーツに目を付けた着眼点が良かったように思う。相撲の階級制や相撲に関する知識などこの漫画を読まなければ触れることのなかった知識も多く、徹底したランク性に心惹かれる読者も多いだろう。また漫画らしく「必殺技」のような演出はもちろん出てくるのだが、「黒子のバスケ」「テニスの王子様」のように実現不可能なのではないかと思わせるようなものはなくあくまでも選手の体形や理論に裏打ちされたものであるため違和を覚えることはなかった。また良い点としては、(実際の在るのかはわからないが)合気道、柔道、レスリングといった様々なスポーツを得意とする選手が所々で登場してくるのがとても良いと感じた。
この漫画は高校編と大相撲(プロ)編に分かれており、大相撲編が特段悪かったというわけでもないのだが、話の大筋としては基本的に高校編と変わらず、各選手の掘り下げや新選手の台頭などはあるものの、さらなる爆発力は持っていなかったように感じたことがとても残念だった。飽きがすぐに来てしまう読者だと大相撲編は蛇足のように感じてしまうかもしれない。