永遠に僕のもの / El Angel

永遠に僕のもの / El Angel

『永遠に僕のもの』(えいえんにぼくのもの、El Ángel)とは、ルイス・オルテガ監督による2018年のアルゼンチン・スペイン合作の伝記犯罪ドラマ映画である。第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映されたほか、第91回アカデミー賞外国語映画賞のアルゼンチン代表作に選出された。
本作は、1970年代のブエノスアイレスに実在した連続殺人犯、カルロス・ロブレド・プッチの若き日を基にしている。17歳の少年カルリートスは、類稀なる美貌を持ちながら、罪悪感を抱くことなく住居侵入や窃盗を繰り返す空虚な日々を送っていた。転校先で出会った不良青年ラモンに魅了された彼は、ラモンの父ホセと共に強盗団を結成し、その犯罪的才能を開花させていく。しかし、カルリートスの底知れぬ欲望と危うさは、やがて仲間たちとの関係に決定的な亀裂をもたらし、凄惨な結末へと突き進んでいく。
モデルとなったカルロス・ロブレド・プッチは、19歳から約1年の間に11人を殺害し、強盗や強姦など数多くの罪を重ねたアルゼンチン史上最も凶悪な殺人鬼の一人である。1972年の逮捕時、その端正な顔立ちと冷酷な犯行のギャップから「死の天使(El Ángel de la Muerte)」と呼ばれ、国民に大きな衝撃を与えた。映画は、この「死の天使」と呼ばれた少年の純粋ゆえの狂気と、刹那的な美しさを鮮烈に描き出している。

MenmoL_hinetaのレビュー・評価・感想

永遠に僕のもの / El Angel
9

酔いながら考えさせられる映画

実在した連続殺人鬼をモデルとしているが、快楽のための殺人とは感じられない。作品内の淡々とした描写と漂うラテン音楽とのミックスが印象的で雰囲気に酔いたいタイプの人には最高の映画。銃社会のアルゼンチンを舞台に、すらりと裏社会に入っていく主人公。協力する友達とその家族。対照的に、徐々に息子がわからなくなっていく両親。
終始二重にも三重にもどきどきして、危険で心臓に良くない。しかしそれだけで終わる映画ではなく、主人公の行動、生き方、考え方にはとても興味を惹かれ、考えさせられるところがある。個人的には「生きてるんだ」というセリフがとても好きで、生の寂しさ、孤独さ、若さ、そんなところに繋がるんじゃないかと思った。
邦題「永遠に僕のもの」は主人公の男友達に対する気持ちから来ているのだろう。しかしその気持ちが本当に、いわゆる狂気的な愛で、犯罪に発展したものだったかは曖昧なままである。むしろ真実は原題「El Angel」(ある天使)にふさわしく、愛は一要因にすぎず、主人公は天使のように純粋に、存在意義自体を危険地帯に晒したかったのではないかと思わされるのだ。
作品自体のダークさ、危険な妖艶さの中にあって、甘い発音のスペイン語と陽気なラテン音楽が素晴らしいアクセントになっていて、一見するにふさわしい価値がある映画だ。