薔薇王の葬列

薔薇王の葬列

『薔薇王の葬列』とは、ィリアム・シェイクスピアの史劇『ヘンリー六世』および『リチャード三世』を原案とした菅野文による歴史・ファンタジー漫画。秋田書店の『月刊プリンセス』にて2013年11月号から2022年2月号まで連載された。単行本は全17巻。本作はテレビアニメ化されており、2022年1月から6月まで連続2クールで放送された。
主人公のリチャード三世が両性具有という設定で、白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家の王位を巡る戦い「薔薇戦争」を描く。

iwashinのレビュー・評価・感想

薔薇王の葬列
8

中世ヨーロッパの王冠を巡る物語

中世ヨーロッパのイギリスを舞台にした王冠を巡る物語です。主人公は偉大なる父親を愛し、父に王冠を手にして欲しいと願う貴族の3男リチャードです。しかし、自身の忌々しい身体のせいで自分の愛した人たちは皆不幸になってしまうという悲しい運命を背負っています。尊敬していた父親をなくし、兄であるエドワードが王冠を手にしますが、女性関係で堕落したエドワードの治世は次第に悪くなっていきました。弟である自分にも、王冠を手に入れるチャンスがあるリチャードは、そんな乱世の王冠を巡る戦いに次第に巻き込まれていってしまいます。自分にも王座に座るチャンスがあると自覚し、側近であるキングメーカーのバッキンガム公に協力を得て、チャードはいろんな手を使い、貴族に取り入り、残酷に殺しもしながら王座に上りつめていくのです。様々な人間の思惑が入り乱れた人間ドラマに翻弄されていくのが見どころだと思います。また、リチャード自身の身体に隠された秘密を守りながら、時にはそれを逆手にとり人々を誘惑していく姿に目が話せませんでした。リチャードと敵の王様が繰り広げる禁断の恋の行方も必見です。