俺の屍を越えてゆけ / 俺屍

俺の屍を越えてゆけ / 俺屍

『俺の屍を越えてゆけ』とは、1999年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation用ロールプレイングゲーム。通称「俺屍(オレシカ)」。平安時代の日本をベースとした独特の世界観やキャラクター、独自のゲームシステムで知られる。2007年2月22日からはゲームアーカイブスでダウンロード販売されている。2011年11月10日、PSP版リメイクが発売された。2014年7月17日には続編の『俺の屍を越えてゆけ2』が発売された。
平安時代、京は朱点童子を頭目とする鬼たちの襲撃によって壊滅寸前に追い込まれた。お輪と源太という一組の夫婦が朱点童子の居城・朱点閣へと迫り、奮闘するも、源太は朱点の罠にかかって討ち死も。お輪も住いに残したはずの幼い我が子をタテに捕らわれてしまう。お輪は自らの服従を条件に、我が子の解放を懇願し、朱点はこれを受諾した。朱点は幼子を解放するが、卑劣にも幼子に2つの呪いをかける。1つは常人よりも数倍のスピードで成長し、生後わずか1年半から2年以内に死亡する「短命の呪い」であり、もう1つは人と交わり、子を生すことができない「種絶の呪い」である。一方で、地上の様子を憂いていた神々がこの一部始終を見て、呪いをかけられた源太とお輪の子供に力を貸すことを決めていた。神々によって助けられた源太とお輪の子は天界から派遣されたイツ花のサポートを受けつつ、神との間に子を生すことになる。そして、その一族は朱点童子打倒の悲願を達成するまで戦い続ける。

free-nomadのレビュー・評価・感想

俺の屍を越えてゆけ / 俺屍
10

生まれ、死に逝く物語。

時は平安。京の都は、大江山を根城とする悪鬼、朱点童子(しゅてんどうじ)の襲撃を受け、衰退の一途を辿っていた。名だたる武士達が討伐に向かうも朱点童子に敵う事は無く誰一人戻らない中、源太とお輪という夫婦が朱点童子の居城に辿り着く。源太は朱点童子の卑劣極まりない罠により命を落とし、お輪は産まれて間もない子供を囚われ、子供の命と引き換えに自らが朱点童子に囚われる。朱点童子は、お輪の子供に忌まわしき呪いをかけた。それは人の何倍もの速さで成長し、2年程で死に至る『短命の呪い』、人と交わり子を成す事が出来ない『種絶の呪い』、という二つの呪いを額に刻んだ。呪われし子供を哀れんでか、または気紛れか、何か思う所があってか、天界の神々は子供に救いの手を差し伸べる。自分達、神々と交わり子を成すようにと。そして、決して血を絶やさず、いつか悲願を成就させよと。この呪われし子供こそこのゲームの主人公であり、呪われし一族の初代当主だ。
ゲーム開始直後は当主とその子供(初代を『日本男子』にした場合は息子、『大和撫子』にした場合は娘)の2人のみだ。この二人が討伐に出掛け、鬼と闘い成長し、神々と交わる『交神(こうしん)』という儀式を経て一族を増やし強くしていくのだ。前述した呪いの為、この者達は直ぐに死ぬ。どんな猛者であろうと、寿命が来れば確実に死んでしまう。特例を除き、死を逃れる術はない。死の間際、彼等は様々な言葉を遺して逝く。どうか、その言葉に自ら耳を傾けて欲しい。そしてどうか、その言葉を道標に、遺された一族を導いて欲しい。