重戦機エルガイム

重戦機エルガイム

『重戦機エルガイム』(じゅうせんきエルガイム)とは、1984年2月から1985年2月までテレビ朝日系列で全54話が放送された、日本サンライズ制作のロボットアニメである。前番組『聖戦士ダンバイン』に引き続き富野由悠季が監督を務め、当時23歳だった新人の永野護がキャラクターとメカニックの両デザインに抜擢された。
物語は二階層惑星系「ペンタゴナ・ワールド」を舞台に、主人公のダバ・マイロードが反乱軍を率いて独裁者オルドナ・ポセイダルを打倒するまでを描くサクセスストーリーとして始まるが、終盤にはダバが統治者の道を選ばず、精神を病んだ義妹のクワサン・オリビーと共に隠棲するという、苦い結末を迎えるのが特徴である。
放送終了後もOVAや渡邉由自による小説、池原しげとによる漫画など多角的なメディアミックスが展開された。特に池原版の漫画では、ダバが仲間と共に未来へ歩むハッピーエンドが描かれ、テレビ版とは異なる「もう一つの結末」としてファンに親しまれている。また、永野護が本作のために用意した膨大な裏設定は、後に彼の代表作となる漫画『ファイブスター物語』へと継承・発展しており、両作はキャラクター造形や物語の骨格において深い関連性を持っている。アニメーション制作においては北爪宏幸ら当時の若手スタッフが精力的に登用され、後のアニメ界に多大な影響を与えた一作として知られている。

Nonsugarのレビュー・評価・感想

重戦機エルガイム
8

戦争商人

ガンダム放映からZガンダム放映までの期間に放映されたアニメの一つ。総監督はガンダムの富野由悠季。だが、若手にも任せようとういう試みから、永野護にもいろいろやらせていたという。ロボットもので、服装や、主人公が持つライトセイバー、帝国と反乱軍、ペンタゴナワールドという、5つの星を巡る物語など、スターウォーズを彷彿とせずにはいられない作品だが、フォースのような不思議な力はなく、マシンが徹底的なリアル路線という違いが見どころである。物語は、片田舎から出てきた二人の若者が、数奇な運命をたどり、やがて帝国軍と戦っていくというストーリー。パイロットと書いて「ヘッドライナー」と読んだり、重戦士と書いて「ヘビーメタル」と読ませたりと、随所に富野由悠季節が炸裂している。主人公ダバ・マイロードにはある秘密があり…という内容だが、その他、コミカルあり、恋愛あり、といったあらゆる要素が入っている。一番たまげたのは、戦争商人というキャラクターが出てきたこと。大人になってから見たので、相当たまげた。戦争はだれが起こさせているのか?そんな、現代に通じる問題をこの当時から子供向けの番組でやっていたことに驚く。ちなみに、戦争商人が最近のスターウォーズ作品にでてきたが、それよりもずいぶん早くに日本ではそういったことが描かれており、私の不勉強かもしれないが、勧善懲悪を主体とするアメコミにはなかなかない発想だろう。合理的、資本主義的発想が、そうさせなかったのかもしれない。アメリカの闇を感じる。当時ベトナム戦争真っただ中か終わったあたりか、そういったことが影響しているのかもしれない。個人的に好きなのは、主人公が後に乗り換える、エルガイムマークⅡという機体は、元々帝国軍のものであり、そのときの名前が、アモンデュール・スタックという名前であるところ。この詳細設定が好き。最後まで見ると、なかなかの驚きがあるので、見たことのない人は、ぜひ飽きずに最後まで見ていただきたい作品だ。