ぼくは明日、昨日のきみとデートする / ぼく明日 / Tomorrow I Will Date With Yesterday's You

ぼくは明日、昨日のきみとデートする / ぼく明日 / Tomorrow I Will Date With Yesterday's You

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は七月隆文による小説。2014年に宝島社より宝島社文庫として出版され、2016 年5月の重版をもって、累計100万部を突破している。第3回京都本大賞受賞作品。
WEB読書管理サービス「読書メーター」の「文庫の読みたい本ランキング」で第1位を獲得。
2016年7月には大谷紀子によりコミカライズされ、宝島社より刊行。全3巻。
美大生の南山高寿(みなみやまたかとし)は、通学電車の中で見かけた、福寿愛美(ふくじゅえみ)を一目見た瞬間、恋に落ちる。勇気を振り絞って声をかけ、別れ際に「また会える?」と聞くと彼女は突然涙を流した。高寿は不思議に思うも、その後再び出会い、意気投合した2人は付き合うことになる。
周囲からもうらやましがられるほど順調に交際が進み、幸せな日々がいつまでも続くと考えている高寿。だが、高寿は愛美から信じられないような秘密を明かされる。そして、2人の運命はすれ違いを始める。
京都の風光明媚な景色を背景に20歳の男女の甘く切ない純愛を描く。
2016年12月17日に映画が公開された。監督は三木孝浩、脚本は吉田智子、主演は福士蒼汰、小松菜奈が務めた。

shigetotoroのレビュー・評価・感想

ぼくは明日、昨日のきみとデートする / ぼく明日 / Tomorrow I Will Date With Yesterday's You
8

パートナーとのかけがえない時間

この物語の設定は現実では全くあり得ないフィクションのラブストーリーです。しかしそれがわかっていても主人公とヒロインに感情移入し号泣してしまいました。一見普通の学生カップルの日常を見せられているのかと思いきや、徐々にヒロインの涙の理由が明かされ、それを受け入れる主人公の姿にはとても胸が痛くなります。食べ歩きをしたり、お互いを呼び捨てで呼んだり、イルミネーションを見たり…それは普通のカップルが行う当たり前の日常で特別な何かがあるとは思いません。しかしこの物語では一つの出来事に対し、主人公とヒロインそれぞれに感じ方の違いがあります。物語の後半にその謎が解けた時は、切なさや悲しさ、愛しさが倍以上になります。基本的に登場するのは主人公とヒロインの2人ですが、2人の演技が繊細で光っています。また、2人のファッションもどこにでもいる学生のようですがとても可愛らしいです。物語の中で2人が訪れた商店街やカフェ、動物園は私も行ってみたくなりました。またエンディング曲のback number「ハッピーエンド」も、物語の世界観や切なさを壊すことなくマッチしています。この映画を観ると、パートナーと何気なく過ごしている毎日はとてもかけがえがないもので、そんな毎日をひとつひとつ大事にして生きていきたいと思わせられます。