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マイナーミュージカル映画の傑作
この作品はミュージカル成分がかなり濃く、10曲くらい歌います。とにかくどんどん歌います。音楽はオペラとか劇団四季のような感じではなくバーで歌うような感じでテンポがよくかなり聞きやすいものとなっています。内容的にも刺激的な歌、都会的な歌、怖い歌、悲しい歌、とバラエティーも豊かです。歌もうまいですし、伴奏もいい味をだしています。
ストーリーはある人魚の姉妹が人間の世界に来る話です。
人魚といっても普通に人間に変身できて話すことも歌うことができます。そのためバーのような場所に拾われた姉妹は歌手としてデビューします。そして姉妹とバーの店長の年頃の息子、バーの店長、店長の妻であり歌手の5人で生活を始めます…。というストーリーです。
また、かなり独特な世界観を持っていて面白い作品でした。美しいけれども少し下品なところがあって、姉妹の人魚は恐ろしいんだけれども儚いところがあって、人間の世界はわかりやすいようで複雑で、つかみどころのない雰囲気を醸しています。映像表現もかなり独特で新進気鋭の監督さんなのかな?と思いました。
俳優さんもいい感じでした。姉妹の人魚は場面によっては少し怖いのですが同時にほかの場面では色気のある表情やかわいらしい表情を見せ、非常に役を演じきっていました。ほかにも婦警さんや謎の男など個性の強いキャラクターがいてとても味わい深い映画でした。