キャラクターの個性溢れる作品
開始直後は主人公である世間知らずのお姫さまの恋愛物語。しかしすぐにそれは一転する。
主人公ヨナは、父親である国王を目の前で暗殺され城を逃げ出した。国王を暗殺したのはヨナが恋心を抱いていた従兄弟。従者である男性のハクに守られて命からがら城から逃げ出したヨナだったが、信じていた人の裏切りと父親の死で途方に暮れる。
逃げ続ける2人は道中で追手がかかり、争いに。ヨナを守ろうとしたハクと共に、2人は崖下へ転落。そこで奇跡的に出会った少年と、神官を名乗る男性の話を聞き、ハクとヨナは仲間探しを開始する。
道中で様々な人と出会い、城の中では知り得なかった国の現状を目の当たりにしながら、ヨナが徐々に成長していく。その姿に感動を覚える。
話が進むごとに増えていく仲間も、それぞれ抱えているものがあり、それを背負いながら生きていく力強さがある。
ヨナに想いを寄せながらも気持ちを隠し続けるハクと、自分の父親を殺した従兄弟への想いを引きずるヨナ。
仲間に背中を預けられる安心感や、人々を守りたいという強い気持ちが見られる、とても楽しい作品だと思う。キャラクター一人一人をとても丁寧に描写していて、主人公だけではない様々な人物の視点から状況を垣間見ることができる作品になっている。