Cocco

Cocco

Cocco(こっこ)とは、沖縄県那覇市出身のシンガーソングライターである。元々バレリーナ志望だったが、賞金目当てで受けたオーディションを機に歌手の道を歩み始める。当初は歌を本気でやろうとは思っていなかったが、徐々に歌を好きになり自分を見つめなおすために2001年に活動を休止。2006年に再開し、歌手として精力的に活動するようになった。楽曲の特徴としては、「自傷を彷彿とさせる病的な歌詞やオルタナティヴなサウンド」と称される。音楽活動のほか、絵本やエッセイの執筆なども行う。

TAKUYA_Mのレビュー・評価・感想

Cocco
9

キズだらけの表現者

90年代の女性シンガーソングライターの中でも、一際異才を放つCocco。
彼女のデビューシングルである「カウントダウン」を聴いた時の感想は大きく二手に分かれると思います。傷ついた経験などがあり、カタルシスを感じる人、そういったこともなく「恐ろしい。二度と近づかない」と思うひ人、両極端だと思います。
彼女の楽曲の傾向として、「カウントダウン」のように、全面的に狂気を表現しているものと、「強く儚い者たち」のように穏やかなメロディ上に残酷なメッセージをのせているものとがあります。そして、時々、純粋にロマンティックなものもあります。
二番目に挙げた「穏やかなメロディーに残酷なメッセージを載せた楽曲」が初期には比較的多いので、聞いているほうとしては油断ができません。私は、そんなところにも惹かれました。サビ部分で爽やかに残酷な言葉を投げかけてくるので、心を引き付けられ、耳から離れません。彼女の心からの悲鳴なのだと思います。彼女は表現していかないと生きていくのが難しいタイプのアーティストなのでは?とも思っています。
そんな彼女も、最近では、健康的な表現者として活躍しています。それもまた彼女のファンとしては、喜ばしく思っています。ちなみに、初期の楽曲の中でもお勧めなのは「rainning」です。