すべてが作品
ボーカロイドプロデューサーとしても活動しているn-bunaが、suisと共に2017年に結成。n-bunaがボーカロイドとは違った人間的な表現を形にするためにできたグループ。n-buna自身は「ヨルシカはバンドとは正確には少しイメージが違う」としたうえで、ヨルシカ自体も作品であるとしている。なお、「先入観で音楽を聴いてほしくない」とのコンセプトから、2人の顔や詳細なプロフィールは公開されていない。
主にアルバム発売とユーチューブ上の動画で作品を発表している。ユーチューブ上ですべての音楽が聴けるわけではないが、かなり多くの作品を投稿しており、そのコンセプトワークのようなものが、ほかのミュージシャンとは大きく違うところであると思う。一つの作品に登場した背景が、別の作品で別の形で登場したり、一つの歌と別の歌につながりがあったり、歌詞の意味を考えると、別の歌とつながっていたりと、動画や歌の作品の意味や目的を考察することが面白みとなっており、ユーチューブのコメント上にも、多数の考察コメントが寄せられている。
それについて、ヨルシカの公式なコメントがなされているわけではないが、本人たちはさぞかしシメシメと思っているに違いない。考察があっているかどうかではなく、多くの人に見たり聴いたりしてもらえることが目的であろうから。曲調や歌詞は、どちらかといえば後ろ向きというか、悲観的なものが多い。パッと聞いて、「なんだ?」と思う例として、「だから僕は音楽をやめた」という曲がある。なんでだ?と思って聞いていると、だんだんと考えずにいられなくなり、ほかの曲を聴いてしまったら、この時点でもう後戻りはできなくなること請け合い。