もののけ姫 / Princess Mononoke

もののけ姫 / Princess Mononoke

『もののけ姫』とは、1997年に日本で公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。宮崎駿が監督を務め、キャッチコピーは「生きろ。」である。
本作は、自然を破壊する人間と、それに抗う森のいきものたちの戦いを描いている。
1997年の公開後、観客動員数1,420万人、興行収入193億円を記録し、当時の日本映画歴代興行収入第1位となった。2020年、新型コロナウイルスの流行の影響で新作映画の供給が困難になったことを受け、同年6月から8月まで全国の映画館で再上映された。再上映による興行収入は8.8億円にものぼり、興行収入記録は201.8億円となった。
また、1996年に国内のビデオソフト発売および海外のジブリ作品配給に関する事業提携をウォルト・ディズニーと締結したため、ディズニーから初めて出資を受けた作品である。
米良美一が主題歌『もののけ姫』を歌い、本作品をきっかけにより広く認知されるようになった。女性のような高い声で歌うカウンターテナーが特徴である。

manmaru0824のレビュー・評価・感想

もののけ姫 / Princess Mononoke
10

考えさせられる作品

ジブリ作品の中でも一番好きな作品です。子供の頃から何度も見ていますが、見る度に視点が変わります。
森を守ろうとする獣たちと、生活を豊かにするために森を切り崩そうとする人間との争いが主軸になっています。この物語の面白いところは、一概にどちらが悪いとは言えないところです。特に、森の獣たちから目の敵にされているエボシという登場人物が魅力的です。私は子供時代、このエボシという人物が嫌いでした。しかし、今では大好きな登場人物の一人です。彼女は森を奪うためなら冷酷なことを平然と行います。しかし、実際には弱い者にとても優しい情の深い人物です。不治の病と恐れられ、誰も近づかない人たちの手当てをし、町で売られている女性を見かければ全員引き取ってしまうほどです。そのエボシと敵対しているのがモロという山犬です。モロは森を切り崩そうとしているエボシを含めた人間を憎んでいますが、生け贄として差し出された人間の赤子を哀れに思い、自分の娘として大切に育てます。モロもエボシ同様、冷酷さと情の深さを併せ持つ、憎めないキャラタクターです。モロに育てられた娘がもののけ姫として人間の前に立ちはだかるのですが、ある一人の少年と出会うことで物語が大きく動いていきます。アシタカという少年は非常にニュートラルな人物で、森と人間が共存する方法はないのか、ずっと模索し両者に問いかけ続けます。森と人間双方のために尽力する行動力、精神力は一貫性があり、目を見張るものがあります。シリアスな作品で冒頭シーンで敬遠してしまう人も多いかもしれませんが、ヤックルという非常に可愛いキャラクターもいますので、ぜひ最後まで多くの人に見ていただきたい作品です。