Bloodborne / ブラッドボーン

『Bloodborne』とは、2015年3月26日にFromSoftwareによって開発された、クトルゥフ神話を彷彿とさせるアクションRPGである。
19世紀ビクトリア時代の特別な治療を行う奇妙な街ヤーナムを舞台に「未知との遭遇」「バトルの死闘感」「ユニークなオンライン」がポイント。主人公は医務室のような場所で治療をうけている場面から始まり「青ざめた血を求めよ」とだけ言われ物語が始まる。
血と獣の病、宇宙との接触、生まれや血統といったテーマが交じり合い深く物語に没入することができる。
同じFromSoftwareから発売された同系統の『デモンズソウル』や『ダークソウル』と世界観やファンタジー性の方向は同じだが、大きく異なった点がある。従来のゲームには盾を用いた戦闘が一般的だったが、今作において盾の概念は存在せず、回避行動に重きを置かれている。「リゲイン」という仕様が本作から採用されてるため、被弾後のリカバリーのため、より攻撃的なプレイが求められる設計である。そのため戦闘のスピード感が増しており本作のコンセプトである「バトルの死闘感」を強く演出している。

Nia666のレビュー・評価・感想

Bloodborne / ブラッドボーン
9

フロムソフトウェアが送る最高の悪夢

PS4で発売されたフロムソフトウェアのアクションゲームの一つ、それが「Blood Borne。
フロムソフトウェアのアクションと言えば、かの有名なソウルシリーズ(デモンズソウル、ダークソウル1~3)を思い浮かべる方もいるでしょう。その系列とはまた一味違ったアクションゲームがこのタイトル。
主人公はソウルシリーズと同じく何度死んでも復活し、ダークな世界観、異形の敵。素晴らしいほどに殺意に満ちた敵達が待ち受けている。
ソウルシリーズと同じく、敵を倒した際に得られる通貨のようなもの(血の意志)でステータスを上げることでレベルが上がっていく。と此処までならただのソウルシリーズだ。
しかしBloodborneがソウルシリーズと大きく違うのは”仕掛け武器”と”リゲイン”、そして”盾”の三点だ。
まず仕掛け武器。あらゆる武器が二つの状態を持っている。
例えば、ノコギリ鉈という武器は取り回しの良いリーチの短い形態、リーチが長くやや振りの遅い形態。この二つの形態を持つ。
獣肉断ち(DLC武器)は、重厚な大ぶりの鉈の形態、いくつかの節に解れ鞭のように振るい敵を叩き潰す形態。
このように一つの武器が二つの形態を持っている。変形の差異に形状が変わる演出や効果音。攻撃に変形を入れた変則的なコンボ。こうしたモノはソウルシリーズでは味わえない。

二つ目はリゲインというシステム。敵の攻撃を喰らってもすぐに反撃すればいくらかのHPを取り戻せるというもの。ソウルシリーズは言ってしまえば、盾を用いて機を窺い攻撃するのが定石。
しかしBloodborneの場合はそもそも盾が貧弱、というよりたった2個しか存在しない。その上ソウルシリーズと違って貧弱極まりない。
その代りのリゲインだ。攻撃を受けたのならそれ以上に攻撃し回復して生を掴む。その獰猛なまでの攻撃性を以て活路を開く楽しみは一度味わったら忘れられないだろう。

そして三つ目。盾についてだ。
Bloodborneの主人公はそもそも盾を持たない。彼らが持つのは銃だ。ソウルシリーズは盾で敵の攻撃を受け、反撃するという事が多い。しかしBloodborneでは盾の代わりに銃を撃つことで敵の耐性を崩し、隙を生み出すパリィという技術でしのぐ。盾受けできないというのはソウルシリーズ体験者からするととても厳しいものだろうが、実際プレイして慣れてしまえば敵の攻撃を掻い潜り、隙を見て銃でパリィし、あるいは敵の攻撃を受けても構わず攻撃を重ねて叩き潰すという戦い方の魅力にきっと気づくだろう。

長々と書き連ねたが、このBloodborneというゲームはフロムソフトウェアが送る最高の悪夢体験であるのは間違いない。
身を守る防具や盾などなく、あるのは銃と武器だけ。血でむせ返り歪な鳴き声が耳にへばりつくような悪夢の中を狩人として歩き化け物どもを狩って狩って狩り進め、何度も何度も何度も死にまくる。
これこそが楽しい楽しいゲームではありませんか。是非とも是非とも皆様プレイしてください。狩人の悪夢はきっと貴方を満足させることでしょう。