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自分が自分であるという主張
もともとはカントリーシンガーで人気だったのが、ポップスの曲調にシフトしてからも人気が衰えず、そちらのジャンルでも有名になりました。
自身の体験した恋愛だとか、揉め事などを曲にしてしまうことで良く知られた彼女ですが、ほぼ全ての曲に共通して見られるのは、自分が自分であるという主張だと思います。
時にはさらっと歌われていて、声高に『自分らしさを』歌い上げる内容ではなくても、自分を信じてひたすら前に進んでいく力強さを感じます。
落ち込んだときや自分に迷いが出たとき、励まして背中を押してくれるというよりも、下から持ち上げて奮い立たせ、自分でジャンプしようと思わせてくれるようなメッセージ性を強く感じます。
相手、もしくは周りの人を下げることで自分の優位性を感じるといったようなこととは無縁の次元で、『私は私。あなたはあなた。自分らしくてみんな良い』といった、金子みすゞの詩のような、静かではあるけれど、揺るぎのない信念のようなものが伝わってくる気がします。
どんな人でもそうなのですが、特に十代の女の子であったりとか、周りの目が気になってしまって、自分らしさを失ってしまいそうな時に、拠り所にしてもらいたいアーティストだと思いました。