8
手に汗にぎる映画
序盤から終盤まで緊張感が半端ない作品。
イラクに派遣される度に心が戦場に行ってしまう様がリアルで、人を殺す事で味わう罪悪感、仲間の死、家族とのジレンマなど人間描写がうまく表現されていて戦争の残酷さを見た。
そして、市街地での銃撃戦は手に汗を握った。相手もクリスに引けをとらない程の腕前で、遠距離の獲物を的確に仕止める様が敵ながら凄かった。しかも恋人や子供がいていろいろと共感してしまう部分があるのがまた辛かった。
それ以上に敵の本拠地でのクリスの狙撃は震えた!2キロの距離を本人目線で再現したあの見せ方は凄すぎる!後ろで見ている人が声を上げててビビった。ここでようやく伝説の本当の意味を理解した。
しかも主役のクーパーがかなりゴツくなっていて、とてもハングオーバーやAチームのようなアホキャラと同じ人物とは思えない程に別人であった。というかこれはもうクリス本人!
最後の葬儀シーンは不覚にも泣けたし、EDで音楽を流さなかったのも感慨深いものがある。ウッド監督独自の再現方法はとても84歳には思えない程のクオリティであった。
クリス・カイルの生き様を知る事ができた傑作映画だ。