蒼山幸子

蒼山幸子

蒼山幸子(あおやまさちこ)とは、千葉県出身のシンガーソングライター。ガールズバンド・ねごとの元メンバーとして広く知られ、ボーカルとキーボード、作詞を担当して活躍した。高校で同じ軽音楽部に所属していた澤村小夜子と、共通の知り合いを通して知り合った沙田瑞紀を含めたバンドを結成。数ヶ月活動したのちに一度解散したが、後日、沙田からのメールで、彼女の幼馴染である藤咲佑を加えたバンド結成の勧誘をされ、ねごととして活動を開始した。2008年、「第1回閃光ライオット」にてねごとが審査員特別賞を獲得。2010年、1stミニアルバム『Hello! “Z”』でメジャーデビューを飾る。2019年に同バンドが解散した後はソロで音楽活動を続け、2022年ソロでは初となるフルアルバム『Highlight』を発売した。
大のお酒好きであることを公表しており、自宅で熱燗を作って楽しむこともあると明かしている。

maya08のレビュー・評価・感想

蒼山幸子
9

か細さの中に伝わる力強さ

声には儚さが漂い少し弱いように感じるが、その言葉の伝え方・歌詞の生み方が蒼山らしさ、独自の世界観を作っている。その儚さの中には現実感を感じることの少ない青春であったり、孤独感をまとっている青年期の孤高さが表現されている。彼女の歌詞にはそのような表現が多く、「バニラ」という作品ではその蒼山の世界観をCaviar所属の映像ディレクターである志賀匠がうまくアニメーションに、しかもドット絵でのアニメーションという形で捉えている。
この「バニラ」という作品のミュージックビデオはよくあるドット絵にありがちな強い色を使った作品ではなく、「いま」を現した柔らかい中にも主張の残る色使いであるパステルカラーを軸にしたいわゆる「洋物ゲーム」の色遣いをしている。彼女・蒼山の作る歌詞とこの色使いの表す『どこか非現実なのだけど心象を表すあやうさ』。これがふわふわとした中にも心に残り、劇中の彼女の非現実さ、特にその目の表す記号として彼女の入る世界が、蒼山の感じている儚さ・悲しさやこれから前向きに行こうとする気持ちの高ぶりをあらわしている。また欠けることで創造力を高めてくれるドット絵の美しさもあらわしている。欠けた感情だからこそ、この欠けた線の捉えた彼女にこれほどまでに心情を共感し、現実味を感じているのかもしれない。