シンプルにスピーディに楽しめるエンタメアクション
地球外生命体を利用した人体実験を繰り返し、悪事を企む研究者と、彼に仕事も恋人も奪われた元記者がその地球外生命体=ヴェノムに寄生されたことから反撃に転じていくアクション要素の高いエンタメ作品です。
正義心があるものの行き過ぎたところのある記者には人間味があり、落ちぶれっぷりには同情心すら呼ぶほど親近感のあるキャラクターで好感が持てます。そしてこの主人公にヴェノムが寄生しますが、その奇妙なコンビっぷりが面白おかしく、新鮮味がありました。人間を食う食わないのやり取りが、なんとも面白いです。
ハリウッドといえばのカーチェイスを交えたアクションなども洗練されていて、爽快感すら覚える派手な展開を楽しめます。人間サイドの話は別れた恋人とよりを戻すかどうかなどシンプルなものですが、だからVS悪徳研究者、というわかりやすい本筋にすっと没頭でき、難しいことを考えなくてもただ楽しいという感覚に任せられる映画でした。
ヴェノムの造形は人によってはニガテな人もいるかもしれません。ただ動いてしゃべっているのを観ているうちに、だんだんと可愛げのようなものを覚えてくる人も少なくはないのではと思います。割とグロテスクに口が裂けて舌からよだれをたらして人間も食べてしまうようなイキモノなのに、可愛げをも感じてくるので、性格づくりが上手いな、と感じました。