物理的に孤立している俺の高校生活

物理的に孤立している俺の高校生活

『物理的に孤立している俺の高校生活』とは、森田季節による日本のライトノベル作品である。イラストはMika Pikazoが担当しており、小学館のガガガ文庫より2017年2月から2020年12月まで全9巻が刊行された。2019年からは、らまの作画によるコミカライズ版がマッグガーデンの『MAGCOMI』にて連載された。全2巻。
本作は、半径1メートル以内に近づく人間を物理的に吹き飛ばしてしまうという、文字通り「物理的に孤立」した体質の男子高校生・波久礼業平(はぐれ なりひら)を主人公としたラブコメディである。
舞台は異能力者が集う高等専門学校。主人公の波久礼業平は、半径1m以内に近寄る人間のエネルギーを吸い取ってしまう「ドレイン」体質のせいで、クラスメイトから物理的に距離を置かれ、机の周りには立ち入り禁止テープが貼られるほどの筋金入りのぼっち生活を送っていた。
そんなある日、業平は校内一の有名人で「氷の姫」と恐れられる毒舌美少女、高鷲えんじゅ(たかわし えんじゅ)の抱える重大な秘密を知ってしまう。それをきっかけに、彼女から友達を作るための「同盟」を組むことを持ちかけられる。ようやく訪れたリア充へのチャンスに胸を躍らせる業平だったが、彼の周りに集まってきたのは、彼に勝るとも劣らない「残念な異能力」のせいで孤立してしまった負け組の面々ばかりであった。

aya4141のレビュー・評価・感想

物理的に孤立している俺の高校生活
9

主人公格にはぴったりの異能力が現代では…

異能力が存在する世界で生活する高校生たちのお話。でも、この世界には勇者も魔王も闇の組織だって存在せず、現代社会と全く変わりない。そんな中、周りからエネルギーを無差別に奪う”ドレイン”の能力を持った高校生・波久礼業平が主人公。もし、自分が特別な能力を持ったら?なんてことを誰もが考えたことがあると思うが、現代社会で”強くてユニークな能力”なんて扱えなければ邪魔になるだけなのだと思い知らされた。
自らの能力のせいで孤立し、他人とは一線を引いてしまった主人公たちが”友達”を作ろうと奔走する。その中の掛け合いが刺々しくも軽快で、テンポよく読むことができる。友達を作ろうと、少しずつではあるが自らの自信のなさ、不安を乗り越えていく様はとても清々しいものである。業平と高鷲の掛け合いは同盟者としての連帯感があって、安定感があり心地良かった。また、高鷲の趣味が意外性に富んでいて、なんじゃこりゃと思いながら楽しむことができた。
業平は愛河が気になるようだが、肝心の愛河の距離感がもともと近いためハラハラドキドキといったところか。高校×ぼっちという定番設定で人間関係を題材にしているが、シリアスな要素があってもコミカルに真っ直ぐに描かれていて、森田季節節が感じられる。