同居人はひざ、時々、頭のうえ。

同居人はひざ、時々、頭のうえ。

『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』とは、2014年10月より「COMICポラリス」にて連載が開始された漫画作品、およびそれを原作としたメディアミックス作品である。原作・原案はみなつき、作画は二ツ家あすが担当。2019年1月にテレビアニメ化された。
ミステリー作家の青年・朏素晴(みかづき すばる)は、両親の墓参りの際に出会った野良猫から新作の着想を得た。連載の参考にするため、素晴はその野良猫に「陽(はる)」と名付け、家で飼うようになる。一緒に生活していくうちに、素晴と陽の間には絆が芽生えていく。
極度の人見知りである青年が、猫との関わりを通して変わっていく物語。人目線と猫目線で描かれる、癒し系ストーリーである。

nekozamurai88のレビュー・評価・感想

同居人はひざ、時々、頭のうえ。
9

人付き合いが苦手な小説家が猫と暮らし、成長する物語

同タイトルの漫画を原作とするアニメ作品です。
ほぼ同じシーンをAパートは素晴(小説家、男性)、Bパートはハル(猫、メス)の視点で展開し、それぞれで互いの心情も分かります。

この一人と一匹は一緒に暮らし始めます。
素晴はもともと猫に詳しくないため、ハルの行動が気まぐれで不可解なものに見えて戸惑います。
ハルはハルで、素晴の事を「体が大きいくせに頼りなく、自分がついていないとダメな子」と認識していて、野良として過ごしていた時期に命を落としてしまった弟たちとその姿をダブらせています。

ハルを飼うための餌や道具を揃えるために利用したペット用品店では、なな(ショップ店員、女性)と知り合うことで、猫を飼うために必要な知識だけでなく人との関わり方も学んでいきます。

不可抗力ながらななの家に入ることになった時には、彼女の飼い猫のうち一匹がハルの弟であることがわかります。視聴者視点では弟たちの生存を期待するのが難しかったため、このシーンでは思わず胸を撫で下ろしました。

素晴は彼女と彼女の弟へ自分が小説家であること言いそびれていました。いかしハルをモデルとした猫の主人公が活躍する小説を執筆し、それが人気を博してサイン会を開いた際に小説のファンであった弟に代わってなながサインをもらいに来たことで、素晴が小説家であることが発覚します。これもまた、素晴のコミュニケーション能力を向上させていくきっかけになります。

不器用な人間と彼を守ろうとしながらも危なっかしい猫の共同生活は、温かい気持ちになります。