人付き合いが苦手な小説家が猫と暮らし、成長する物語
同タイトルの漫画を原作とするアニメ作品です。
ほぼ同じシーンをAパートは素晴(小説家、男性)、Bパートはハル(猫、メス)の視点で展開し、それぞれで互いの心情も分かります。
この一人と一匹は一緒に暮らし始めます。
素晴はもともと猫に詳しくないため、ハルの行動が気まぐれで不可解なものに見えて戸惑います。
ハルはハルで、素晴の事を「体が大きいくせに頼りなく、自分がついていないとダメな子」と認識していて、野良として過ごしていた時期に命を落としてしまった弟たちとその姿をダブらせています。
ハルを飼うための餌や道具を揃えるために利用したペット用品店では、なな(ショップ店員、女性)と知り合うことで、猫を飼うために必要な知識だけでなく人との関わり方も学んでいきます。
不可抗力ながらななの家に入ることになった時には、彼女の飼い猫のうち一匹がハルの弟であることがわかります。視聴者視点では弟たちの生存を期待するのが難しかったため、このシーンでは思わず胸を撫で下ろしました。
素晴は彼女と彼女の弟へ自分が小説家であること言いそびれていました。いかしハルをモデルとした猫の主人公が活躍する小説を執筆し、それが人気を博してサイン会を開いた際に小説のファンであった弟に代わってなながサインをもらいに来たことで、素晴が小説家であることが発覚します。これもまた、素晴のコミュニケーション能力を向上させていくきっかけになります。
不器用な人間と彼を守ろうとしながらも危なっかしい猫の共同生活は、温かい気持ちになります。