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ロリコンものと思ったら熱い展開だった
この冬からアニメ化されたライトノベル。「16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。きゅうさい。」という、ロリコンホイホイ的な入り口に敬遠していたのだが、『このライトノベルがすごい!』で2年連続受賞となったのを機に手に取った。
これが、早く読まなかったことを後悔するレベルの面白さ。笑えて、泣けて、アツくなるガチ展開の将棋バトルだった。やはり『のうりん』の白鳥士郎最新作で、監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』が付いており、中身がちゃんとしている(ちゃんと棋譜も出てくる)のは大きい。
登場人物の名前が難読ばかりなのはちょっと苦笑してしまうが、キャラクターは立っていて面白い。特に、原作1巻から原作5巻までずっと伏線を張っていたある人物のネタばらしには驚かされた。
アニメの方は原作をとにかく早く消化しようとしているのか駆け足気味の展開なので、原作を読んでいないと分からない演出が多いのが残念。逆に言うと原作を読んでいればかなり面白いので、原作を読んでからの視聴がオススメ。
なお、正ヒロインは“浪速の白雪姫”こと空銀子。これは譲れない。