刻の大地

刻の大地

『刻の大地』とは、エニックス(現スクウェア・エニックス)の『月刊少年ガンガン』および『月刊Gファンタジー』にて連載されていた夜麻みゆきによる漫画作品。作者の過去作『レヴァリアース』の3年後を描いた物語であり、『幻想大陸』の登場人物たちが引き続き活躍する本格ファンタジー作品である。
本作は、1996年から連載が開始され、OVA化もされるなど高い人気を博した。物語はシリアスで、人間と魔物の共存という重厚なテーマを描いている。2002年より作者の体調不良により長期休載、2005年には連載中止が告知されたが、2017年にクラウドファンディングを通じて連載が再開された。その後は「ART street」などのプラットフォームで新章『天秤の代理』が連載されている。
時は4996年。邪神竜ディアボロスが倒され、魔物の凶暴化が収まったはずの世界で、再びディアボロスが復活。魔物たちは再び人間を襲い始める。勇者ザードの行方を追い、彼が夢見た「人間と魔物の共存」の真実を確かめるため、カイは旅に出る。その途中で出会った十六夜、そして復讐に燃えるジェンド。正反対の背景を持つ彼らは、魔物が荒れ狂う大地を舞台に、世界の理を巡る過酷な旅を続けることになる。

sakuright07のレビュー・評価・感想

刻の大地
5

連載中止から15年、クラウドファンディングにより再始動した物語

心優しく動物どころか魔物ともすぐに仲良くなれる少年の十六夜と、女性を見るとすぐナンパするが実は常識人な元聖騎士カイ、記憶を無くし攻撃的で周りから男性と誤解されがちなダークエルフのジェンドの3人旅が始まります。

この世界は元々大人しかった魔物達が凶暴化し、それを勇者ザードがディアボロスを倒したことで鎮静化しました。しかし4年後の今、再びディアボロスが復活したとされ魔物がまた暴れ出してしまった、という状況にあります。

十六夜はそんな魔物が凶暴化した世界でも魔物と心を通わせることができ、周囲の全員から男だと勘違いされていたジェンドの性別も最初からわかっていて、本質を見ぬいたりする力がとても強い様子を見せます。そんな十六夜を見たカイは、過去に交流のあった勇者ザードに十六夜の発想が似ている、という感想を抱きます。

同作者の連載作品に「REVERY EARTH」があり、これに登場したザードの血の繋がらない妹ウリック(本名イリア)と妖精レムが本作にも登場し、これらの作品は同世界として描かれているため、本作は彼女達の後の物語ということでもあります。

十六夜はどこから来たかわからない迷子で姉がいるという証言があることと、イリアの容姿が十六夜に似ている点もあることから二人が姉弟なのではと推測していましたが、二人のリアクションを見るにそれは無い様子です。名前も十六夜だけが漢字表記ですので、はるか東の大陸から来たのかもしれませんが、なぜ幼い少年が一人でそんなところにいたのかも気になるところです。

多くの伏線を残したまま連載中止が発表され、二度と続きを知ることができないと思われていた作品が時を経て連載を再開し、マンガ図書館Zにて連載・公開されています。
当時からずっと好きでい続けていたファンにはたまらない作品であることでしょう。