世界の中心で愛を叫ぶ
これは結論から言うと、ヒロインとなる亜紀(長澤まさみ)が白血病にて死んでしまう物語で、それを看取ったサク(森山未来)とのラブストーリーです。
この作品の魅力は、大きく分けると二つのステージに分かれます。最初のステージは、サクと亜紀の初恋が始まるところです。最初の思い出深いシーンは先生の告別式のシーン。亜紀は優等生で通っていて、告別式では突然の雨の中でも毅然として弔辞を読み上げます。そんな彼女に傘をかざすのがサクなのです。その後、サクに対して亜紀は感謝の言葉を述べ、そこから二人の愛が始まります。その当時流行っていたラジオDJにて、葉書が読まれるとウォークマンがもらえるというサービスがありました。サクは亜紀が白血病にかかるストーリーをでっち上げ、ウォークマンを手にします。その放送を聞いていた亜紀は立腹するのですが、その後、ウォークマンを通じて音声による交換日記をすることとなります。二人の中はどんどん深まり、二人で無人島に宿泊したりするようにもなるのです。
しかし、皮肉なことに亜紀は白血病であることがわかります。抗がん剤治療によりボロボロになった亜紀ですが、サクと一緒に憧れのオーストラリアに行きたいと言います。二人は実現するため空港まで行くのですが、そこで亜紀が倒れてしまうのです。この時の「誰か助けてください」と叫ぶサクの台詞は忘れられません。
もう一つの名シーンは、もう命が短いと言うことを知りながら、写真館にて結婚式をしたことです。籍までは入れませんでしたが、その写真はとても感動的でした。