タカコさん

タカコさん

『タカコさん』とは、新久千映によるほのぼの日常系漫画作品。徳間書店(連載終了時はコアミックス)の漫画配信サイト「WEBコミックぜにょん」にて、2014年12月21日から2021年1月22日まで連載された。単行本は全6巻。
主人公の松前タカコ(まつまえ タカコ)は、人よりちょっとだけ耳が良いという体質の持ち主である。しかしそれは履歴書に書けるような大層な特技ではなく、あくまで日常生活の中で少しだけ多くの音を拾ってしまうという程度のものであった。
ある日の女子会で、賑やかに盛り上がる友人たちの傍ら、タカコさんはいつものように一人静かに食事を楽しんでいた。そこへ遅れてやって来た親友の湯川ヒロ(ゆかわ ヒロ)は、周囲の雑音や小さな声にまで気づいてしまうタカコさんの性質を案じ、「たまには苦手なものを遮断してもいいのでは」と助言する。自分よりも誰かを気遣ってしまうタカコさんの、繊細で温かな日常が描かれる。

SSYUNのレビュー・評価・感想

タカコさん
8

日常の音を素敵に感じます

タカコさんは、人より少しだけ耳がいい、特に変わったところのない女性です。
絵でいえば「ワカコ酒」の作者が描くタカコさんは、ワカコと同様にまんまるとした目をしていて、周囲の人々とはちがう特徴的な描写になっていることや、心の声が多めなところは共通点があります。

タカコさんはこの「少しだけ耳がいい」という自信の感覚を気に入っているようで、街や人、電車などの音も心地よいものとして受け取っています。
タカコさんの職場はレストランで、お昼などはサラリーマンやOLで忙しくなります。当然ワイワイガヤガヤと音に溢れ慌ただしくしていますが、その中で「出てくるのが遅いけど、ちゃんと注文通ってるかな」と同僚と話す方や「すみません」と呼ぶ声が小さくて他に誰も気づかないお客さんの声に一人気がつき、丁寧に対応する様子は好印象で、こんな店員がいる店なら通いたくなります。

タカコさんと対照的なのは、友人の湯川さん。
湯川さんは現代社会の社会人として、いつもストレスに晒されていて大変な日々を送っています。
周囲の音にもストレスを感じるほど余裕がなくなることの多い湯川さんと、周囲の音に晒されていてもそれらを心地よく感じているタカコさんは対照的ですが、そんなタカコさんの態度は湯川さんも癒し、いい友人関係に見えます。

読者としても、タカコさんを見ていれば日常の音が一風変わって感じるようになるかもしれません。