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二つの顔を持つヒロインと、超不幸体質な主人公の恋人生活
一見、ただの可愛い系美少女である式守さんと、放って置いたらすぐに死んでしまいそうなほど不幸に見舞われすぎる主人公。
彼が不幸に見舞われるたびに勇しく守る式守さんの姿は、可愛いものから一転してとてつもなく格好いいというギャップがあり、ときめきを覚えずにいられません。
主人公は強風の日に外れた看板が頭上へ向けて落ちてくるほどの不幸な男子。
そしてそれにいち早く気がつき、彼を引き寄せて看板から守ったり飛んできて彼に当たりそうな新聞紙をノールックで受け取るという、並外れた不幸体質な主人公を守れるだけの強さを持っています。
式守さんはそれを負担に思っているわけでなく、優越感を得ているわけでもありません。彼を純粋に心配し守り抜いていく姿には強い愛を感じます。主人公は申し訳なく思っていますが。
ただでさえ可愛らしく、微笑ましい二人が超不幸体質とそれを守る超人的センスによって、さらに愛おしく感じさせられます。
命に関わるようなトラブルがあっても、二人が一緒にいれば大丈夫。
そして二人はきっと遠い将来も一緒にいて困難に負けることなく幸せに暮らすのだろうと、彼らの高校生活を読んだだけで目に浮かび安心してしまいます。この素敵な関係は、ただただ美しく、尊いです。