TVアニメ『ギヴン』の見どころ
このアニメの見どころは簡潔に言うと「恋愛模様(※BL)」と「音楽」です。大学院生の中山春樹と、大学生の梶秋彦と共にインストバンドで活動している高校生の上ノ山立夏は、学校で弦の錆びたギターを抱えて眠る佐藤真冬に出会います。そこで立夏が弦を張り替えてあげたことがきっかけで、真冬にギターを教えることになり、真冬も立夏らのバンドメンバーの一員になります。
ここまでは普通のバンドアニメかと感じると思いますが、メンバーそれぞれの恋愛模様が切なく、もどかしいのです。一番年上の春樹は同じバンドメンバーの秋彦が気になっていますが、秋彦は元彼である村田雨月と同居をし、別れてからも肉体関係が続いています。真冬は常に彼が抱えているギターの持ち主である元彼・吉田由紀が真冬との些細な喧嘩がきっかけで自殺してしまったという悲しい過去を持っていて、そんな真冬の過去を知った立夏は次第に自分の真冬に対する好意に気づいていきます。それぞれが複雑な恋愛感情を持ち、葛藤しながらも、人間として、さらにバンドとして成長していく様が見ていてもどかしく、応援したくなるようなアニメです。
そしてバンドアニメでもあるということで、劇中曲やエンディングテーマにも注目して欲しいです。劇中曲の「冬のはなし」、エンディングテーマの「まるつけ」は共にアニメで立夏たちが組んでいるバンド「ギヴン」の曲で、作詞・作曲・編曲は実在するアーティスト・センチミリメンタルさんが担当しています。この両曲がアニメの物語や、真冬の経験・感情ととてもリンクしていて(劇中では真冬が作詞という設定であることから)、演奏シーンは特に感情移入して泣けるものでした。
このアニメは物語はもちろん、音楽も本格的で楽しめるものですので、BLアニメや恋愛アニメが好きな方はもちろん、バンドが好きな方にもおすすめしたいです。