スイス・アーミー・マン

スイス・アーミー・マン

『スイス・アーミー・マン』とは、2016年製作のアメリカ映画。日本では2017年の9月に公開された。監督・脚本はダニエル・シャイナートとダニエル・クワン。主演はポール・ダノとダニエル・ラドクリフが務めている。無人島に流れ着いた青年ハンク(ポール・ダノ)は、同じく無人島に流されてきた男の死体(ダニエル・ラドクリフ)を発見。その死体がガスの影響で浮いていることに気づいたハンクは、死体にまたがって大海原へと繰り出す。奇抜な設定と、『ハリー・ポッター』シリーズで主演を務めたダニエル・ラドクリフが死体役ということで話題となった。

recipelife922のレビュー・評価・感想

スイス・アーミー・マン
10

この映画を楽しめるイマジネーションが、映画ファンには必要。

スイスアーミーマン。それは死体がスイスのアーミーナイフのように便利な機能をたくさん持っているということからそのタイトルがついています。死体が十徳ナイフのように便利、下ネタ、変態的な恋愛、自殺したいと思うような極限状態での奇跡。そんなシュールな状況についていけるかどうか、この主人公に感情移入できるかどうか、それは人の生き方で変わるので一概には言えませんが、こういった作品をくだらない、気持ち悪いで片付けてしまわない感性が、映画を楽しむうえで必要だと思います。
正直この映画で泣ける人は映画の楽しみ方をわかっているというとおこがましいですが、空想の世界を理解しようとする努力、この状況下での体験への感受性、おぞましいものか、楽しいものか、居てはいけないものなのかなど、存在への探求心。いろんなものを考える力というものを持った人が楽しめる映画だと思うので、万人受けなどするはずがないですが、もしかしたらこの映画を熱く語れる人は一生映画に飽きない人なのではないかと思います。ツッコミどころは満載です。ですが、それをただバカにするだけではなく感情移入できる。その感性を刺激される素晴らしい映画です。おもしろかった。