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時間の尊さを教えてくれる
1話から最終話まで、すべてに緻密な伏線が張られているアニメです。
主人公を取り巻くメンツはいわゆるオタクと呼ばれる冴えない集団で、最初のほうは万人受けはしないようなアニメだと思いました。
ある時、電子レンジにバナナを入れたらそのバナナがゲル状になって、ちぎったはずの元の房にいつの間にか戻ったことから、タイムスリップしてるのではないのかと主人公らは考えます。それから実験と偶然がかさなり、過去にメールを送れる『Dメール』なる発明をしてからすべてが動きます。
過去を変えるということは変えた瞬間から別の未来に分岐されるので、元居た世界とそこから進んだ未来とでは全く別の世界になり、それにともなって、さまざまな事象(作中ではある人物の過去を変えたら秋葉原に萌えの文化が消え、ただの電気街に代わる)・バタフライエフェクトによって主人公らは運命に翻弄されていきます。
世界が変わったら、人々の記憶は元居た世界とは別にその世界の記憶に書き換わるのですが、主人公「岡部倫太郎」ただ一人はその記憶を保持し続ける体質を持っているので、認識の齟齬や、あらがえない運命に絶望し葛藤します。
それでもかけがえのないものを守るために、あらがいようがない運命に対してあらがう姿、成長していく姿はまさに鳥肌ものです。