きのこ帝国

きのこ帝国

「きのこ帝国」(きのこていこく)は、日本のロックバンド。所属事務所はUKプロジェクト、所属レーベルはDAIZAWA RECORDS(2012年 - 2014年)、EMI Records(2015年 - 2019年)。
2007年に、立正大学の同級生4人で結成された。メンバーは、ボーカル・ギター担当の佐藤千亜妃、ギターのあーちゃん、ベースの谷口滋昭、ドラムの西村"コン"。佐藤千亜妃が全楽曲の作詞・作曲を手掛ける。バンド名は、あーちゃんの髪型が当時きのこに似ていたことと、ロックバンド「ゆらゆら帝国」にちなんでいる。
2008年よりバンド活動を本格的に開始し、2012年には『渦になる』でインディーズデビュー。独自のサウンドや歌詞がインディーズながら話題となり、2015年2月にアルバム『フェイクワールドワンダーランド』が第7回CDショップ大賞2015入賞作品に選ばれる。2015年4月29日には『桜が咲く前に』をリリースし、メジャーデビューを果たした。2016年11月2日にリリースした『愛のゆくえ』は、同年10月29日に公開された映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の主題歌となった。
2019年5月29日に、谷口滋昭が家業を継ぐために脱退し、同日より活動を休止している。

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きのこ帝国
9

センチメンタルな時こそ聴いてほしい!きのこ帝国というバンド

きのこ帝国は2015年にメジャーデビューしたロックバンド。感傷的で叙情的な歌詞と、時に人の心に噛みつくようなサウンドが特徴だ。
ボーカルとギターを担当している佐藤千亜妃がすべての楽曲の作詞と作曲をしている。ロックバンドの形態でありながらJ-POPを思わせるキャッチーな楽曲もあり、音楽性はインディーズ時代も含めて幅広い。
多くのバンドがフェスやライブで激しく盛り上がる曲を発表していても、このバンドは歩みを別方向に向けている。むしろそれがこのバンドの持ち味であり、正統な方向性なのだろう。
激情を高ぶらせるような音楽性よりも、誰しもが経験したことがあるような、センチメンタルな感情を揺さぶる音楽性。例えば、かつて失った人への思いが、メジャー1stアルバム『猫とアレルギー』収録曲「猫とアレルギー」からは感じられる。またメジャー3rdアルバム『タイム・ラプス』より「金木犀の夜」も、悲恋の歌ととれる。
きのこ帝国は多くの人のこころに寄り添えるバンドといえる。彼らの楽曲に触れることが、いつの日か体験した切なさや、忘れてしまった何かを思い出させるのかもしれない。
残念ながら2019年5月27日にバンドは活動休止してしまい、今後新曲を聴けるのかはわからない。だが一度聴けば思わず口ずさんでしまうようなメロディーの曲が多いので、ぜひとも一聴してほしい。