パッセンジャー57

パッセンジャー57

『パッセンジャー57』(Passenger 57)とは、1992年11月6日にアメリカで公開されたアクション映画。日本での公開日は1993年5月15日。主演はウェズリー・スナイプス。
航空会社を相手にハイジャック対策の講師をしているジョン・カッター。元は優秀なテロリスト対策の専門家だったが、妻を強盗に殺害されてからは一線を退いていた。ある日、旧友からテロ対策の職に復帰すべきだと勧められたカッターは、その会議に出席するために飛行機に搭乗する。しかし、その飛行機には護送中の凶悪テロリスト、チャールズ・レーンが乗り併せており、仲間と共に飛行機をハイジャックしてしまう。

chat-blancのレビュー・評価・感想

パッセンジャー57
8

小粒だが掘り出し物の痛快アクション

「メジャーリーグ」で俊足男ウィリー・ヘイズを演じ、一躍スターとして人気を博したウェズリー・スナイプスが航空機を舞台に凶悪なテロリスト軍団に徒手空拳で死闘を挑む保安コンサルタントを演じた「空のダイハード」。本作の日本公開時とほぼ同時期に空港を舞台にし、なおかつスケールも大きかった「ダイハード2」があった事もあり似たような設定で描かれた本作はどうしてもその陰に隠れてしまった印象ではあるが、劇中でスナイプスが魅せるシャープなアクションは必見で特に「閉鎖空間」を効果的に活かした格闘シーンは本作の白眉といっていい。
しかし、こういった作品は主人公のみならず、悪役もそれなりに魅力的でなければ映画自体が盛り上がらない。主人公と対峙する凶悪テロリストを演じたブルース・ペインはまさに「悪のカリスマ」ともいうべき風格を備えた凶悪犯を見事に演じきっていて、「影の主役」と呼んでも差し支えのない存在感を発揮し本作を見事に盛り上げた。
本作は日本での公開は地味そのものではあったが、アメリカではかなりのヒットとなり、これでウェズリー・スナイプスはより人気スターとしてアクションだけではなく、ドラマにも積極的に参加していく事になる。