静かなるドン

静かなるドン

『静かなるドン』は、新田たつおによるヤクザ漫画。実業之日本社の『週刊漫画サンデー』にて、1988年の11月15日号から2013年1月8日号まで連載された。単行本は全108巻。第42回日本漫画家協会賞大賞受賞。
下着会社プリティで冴えないデザイナーとして務めている主人公・近藤静也は、実は1万人の子分を持つ広域暴力団総長の一人息子。二代目が撃たれて内部抗争が勃発することを恐れた母は、静也を三代目総長にするのだった。

taka_7031のレビュー・評価・感想

静かなるドン
8

現実にはいないヤクザ

二重人格や裏表がある主人公という設定はよくありますが、ヤクザの総長と女性物下着の会社でデザイナーとの二足のわらじをはいているというのは、ぶっとんでて笑えます。ヤクザは怖いし、男性なら女性下着のデザイナーなんて変態扱いされそうで、二つとも敬遠されそうな世界だけど、コミカルに描いてあるので、そこが面白いです。ヤクザの姿はサングラスを常にかけていて白いスーツを着ているのですが、その姿になると人が変わったようにキレ者で腕っぷしもすごくなります。しかし、下着のデザインは全然才能がないようで、普段のしょぼい姿とは対照的なのでヒロイン以外はヤクザだとは知らないことになっています。主人公は、ヒロインに一途なのですがなかなか結ばれないです。ヤクザの姿の時には、ホステスや敵対している女組長や娘からモテます。みんな本気で主人公を愛しているので、ヒロインでなくても結ばれてもいいんじゃないかといつも思ってしまいます。主人公は惚れているヒロイン以外にも優しいですが、主人公を愛すると死ぬかひどいめにあうか、かなりのデンジャラスです。私は、ギャグありシリアスありのマンガが好きなのですが、このマンガの右にでる物はなかなかないと思います。