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誰かと一体感を感じられることって美しい
この映画は、女子高生の橘あきらが、冴えないバツイチ店長の近藤に恋をするという話です。同年代の男子よりも、身近にいる大人の男性に惹かれてしまう気持ちには、共感できる人もいるのではないでしょうか。実際にバイトの店長とかなり親しくなるということは現実にあまり無いと思いますが、だからこそ夢があるというか、設定がとても良いと思います。
普通の恋愛ものでよくあるイチャイチャするラブシーンなどは全く無いのですが、あきらが素直に好きと告白するシーンや、無理やりデートに誘うところなどが可愛らしくてキュンキュンしました。あきらが雨でずぶ濡れになって近藤の家に来るシーンが一番ドキドキしました。あきらのまっすぐな気持ちと近藤の生真面目さがぶつかって、最後どういう結論になるか是非見て欲しいです。
この2人の性格や思いはとても人間味があって、改めて誰かと一体感を感じられることって美しいなと思わされました。あきらは怪我のため好きな陸上を諦めてバイトに打ち込んでいましたが、近藤と親しくなるにつれ、近藤があきらの背中を後押ししているのにグッときました。「橘さんにはもっとやりたいことがあるんじゃないのかなあ」と彼女にとって一番必要な言葉をかけてあげる近藤の優しさが胸に沁みました。見た人の背中を押してくれるような優しい映画でした。