つみきのいえ

つみきのいえ

『つみきのいえ』(La maison en petits cubes)とは、2008年公開の加藤久仁生監督による日本の短編アニメーション映画である。 水没していく街の、積木を積み上げたかのような家で、1人暮らしをしている老人がいた。老人の生活を通じて、「人生」というものを象徴的に描く。素朴な絵と心温まるストーリーが魅力的な作品。

TAKUYA_Mのレビュー・評価・感想

つみきのいえ
10

愛と家族

おじいさんが、愛くるしい。
ナレーション有、ナレーション無の2パターンがあるのですが、まずはナレーション無で是非みて欲しい。

短編アニメ映画で、たった15分程しかありません。でも、そんな短いとは感じないのではないでしょうか。まるで何倍もの時間を観ていたかのような、心に響く映画です。

徐々に水に沈んでゆく街で独り暮らしているおじいさんの話。
どんどん家が沈むので上へ上へと高く増築してく。
そんな中、あるきっかけで先だった「おばあさんと過ごした日々」から思い出をさかのぼっていくおじいさん。それはまるで人生そのものを振り返るかのよう。
その細かな描写が、とにかく心あたためられる。
ナレーションなんて無くたってきっと伝わるはず。

おじいさんの思い出を共に見る事で、独りで生きる最後ってどんなだろう。人生ってなんだろう。愛ってこういう事か。伴侶って素晴らしいな。子供って家族っていいな。と感じさせられます。
今はたった独りで生きているおじいさんだけどおじいさんは独りではない。
子供から大人まで、大切な人と観たい一品です。
絵のタッチも絵本のようで、とても繊細でやわらか。
きっとナレーション無の次にすぐナレーション有で観ても2回泣いてしまうと思います。