全てのオタクへ送るアクション映画
まさにゲームや漫画、アニメなどを愛する"オタク"が作った映画。
圧巻のレースシーンなど、オタクじゃなくても楽しめるエンターテイメント要素が盛りだくさんだけれど、この映画は断然"オタク"の方が何十倍も楽しめる映画。
だって、まず主人公がオタク。服装も髪型もパッとしないし、ゲームの中でできた友達との交流の方が楽しそうだし。トレーラーハウスが連なったスラム街の中でVRゲームというギャップがおかしいけれど、どうやらこの世界の人はみんなVRゲームに夢中らしい。
VRはまだまだ発展途上だけれど、不景気に少子化に、明るい未来を描けない日本では、近い将来みんながVRゴーグルをかけてバーチャル空間に閉じこもる光景は想像に難くない。
兎にも角にも、現実世界で孤独だった主人公が、ゲームを通して仲間ができ、協力する姿には胸が熱くなる。
このVRゲームの世界が本当に圧巻で、登場するアバターもゲームが好きな人には馴染み深いものが多い。ストリートファイター、オーバーウォッチ、モータルコンバット……、さらにはシャイニングなど、多数の映画のオマージュが登場する。監督の映画を始めとしたコンテンツへの愛の現れだろうか。
最後に一つ。パスワードを紙に書いて貼っておくのは危険です。忘れないように、すぐに使えるように、という気持ちはわかるけれど、やめましょうね。