映画館で声を出してしまった
「スマホを落としただけなのに」という映画にそこまでの期待はしていなかった。田中圭がカッコ良さそうだし、スマホの話って何か面白そうといった感じで、軽い気持ちで見に行ったのだ。
しかし、映画を見始めて、しばらくしてから、とんでもなく恐ろしい映画だということを思い知らされた。
現代社会においてSNSは欠かせない存在であり、今ではインスタ映えなんて言葉が当たり前に使われる世の中。どれだけ良い写真を撮れたか、盛れる写真を撮れたか、それをどれだけの人数にいいねしてもらえるか、というのが重要視されている時代で、それが個人情報を流通させていることを忘れてしまう。
そして、それを利用して、赤の他人であっても簡単に個人情報を手に入れることも、その人になりすますことも出来るのだ。
成田凌が初め出てきて、パソコンを使ってスマホを直してくれていた時、田中圭や北川景子同様に、私達も「成田凌すごい!」と思ってしまっていた。しかし、冷静に考えれば確かに、それは知らない人に個人情報を提示する行為だった。でも業者だと言われたらわからないだろうな。
成田凌が犯人だと判明した時の恐怖は、忘れられない。成田凌がカーテンからザッと出てくるシーンがあるのだが、そのシーンは怖すぎて、私も友達も映画館だということを忘れて「やめてーーー!!こわーーーー!」と声を出してしまった。すると、周りの人たちも釣られたのか「やばいよ、怖いよ!助けて!」など、まるで応援上映さながらの盛り上がりを見せた。
今まで感じたことのない、一般的なホラー映画とは一味違う作品。サイコパスな犯人と、スマホを落とすという日常にありそうなことから舞起こる事件と、そういった怖さがこの映画には存在した。