出会えてよかった
この話は原作が小説になっていて、その後コミカライズされています。自分はコミカライズの方を読んでいました。作者は有名な「西尾維新」さんです。
この話の語りだしはまるで小説を読んでいるかのような出だしでした。題名に出ている「少女」には初めは名前が出てきません。その代わりに「U」と話しの中で呼ばれていました。そして題名の「不十分」その意味は物語を読んでいくと次第にわかります。
何故かその少女は周りの同い年の子たちと何かが違います。友達が事故に合ってしまい、それを目の前で見ていたのにも関わらず、手に持っていたゲームを「セーブしてから」その友達のもとに駆け寄っていました。その違和感に気づいてしまった主人公はその「U」に後日カッターナイフで背中から脅されます。自分の家に来るように、と指示に従い付いていくと何故か主人公は「U」に押し入れに監禁されます。正直なところ、小学生の「U」と成人の主人公ではどちらの力が強いか言わずと分かると思います。しかし主人公は抵抗しませんでした。それは「U」に興味を持った、または連日の疲れのせいか…。こうして一緒に暮らししていくうちに「U」の事を少しずつ知っていきます。初めの描写でなかなか話が繋がらかったのですが、ある話を境に一気に紐が説かれていきました。「U」の不十分とはいったい何なのか、その原因は何なのか思考しなが新刊を待ち望んでいました。主人公は探偵ではありません、なので主人公の考察も一般の私と近いもので共感しながら読めました。絵も綺麗で、直接的な描写はあまりなく間接的な表現をする描写が尚更この話の雰囲気を作っていて好きでした。自分はこの話を読んで誰でも起こりうる「不十分」だなと思いました。たまたまそれが「U」であっただけ。それを見たのがたまたま主人公の僕であっただけ。ただそれだけ。全巻読み切って思ったのは、この物語に出会えてよかったです。