素敵でいびつな髭ワールド
2018年に15周年を迎えたファンタスティックで、しかもカッコいいロックバンド。
強さ、脆さ、新しさ、懐かしさ、鋭さ、ぬるさ、なんでも自分たちらしく表現する彼らの音楽はまるでモダンアートの美術館のよう。芸術系の学校の学園祭によく招かれるというのもうなずけます。彼らの楽曲名にある「素敵でいびつ」という言葉がまさにぴったりです。
楽曲のほとんどを作詞作曲するのが、サラサラ・ボブの美青年・須藤寿。プロの間でもちょっとマネできないと評判の彼のシャウトは必聴です。ぜひライブで体験してみてください。チケットはソールドアウトすることも多いですが、FCが無く誰でもHPで先行予約ができるので入手しやすいです。ファンは男女比年齢層ともに幅広く、お約束の踊りや掛け声も特にありませんので初めての方も参加しやすいです。モッシュ、ダイブはありませんが盛り上がりますので着替えはあった方が良いです
。髭は歌詞の良さも特筆すべきバンドです。ライブだけでなくCDでじっくり聴くのもおすすめします。いわゆる良いことを言ってるね、という良さではなく、世の中の空気をはらんだ文学的な完成度の高さ、詩としての良さがあり、国語の教科書に載せて欲しいくらいです。丁寧に言葉を推敲しているのだと思います。そうかと思えば、これは飲んだ勢いでもなきゃ出てこないんじゃないかと思わせるような直感的な言葉に溢れた曲もあり(ご本人も意味が分からないと言っている)、それはそれで真似できない才能を感じます。どうぞ髭の織りなす不思議ワールドにとりつかれてみてください。