音楽でつなぐ、いまだかつてない壮大なる家族愛!
これほどまでの感動の笑い、そして泣き、感動する映画に出会ったことはありません。
この映画の一番の見どころはその音楽と壮大な景色にあると思います、メキシカンな音楽を基調とする軽快で楽しいジャンルにとらわれない名曲の数々は、映画好きのみならず、音楽ファンも一見の価値があると思います。そしてその景色、美しい音楽をBGMに作中で登場する死者の世界というものがあるのですが、その景色はパッケージに使われるほどで、一面に敷き詰められたマリーゴールドの花びら、その向こう側には燦然と輝きを放つこの世のものとは思えないほどに美しい街並み、死者の世界というと、暗く、怖いイメージを受けますが今作での表現はとても美しく、楽しげで、家族の歴史に残ることのすばらしさ、偉大さを伝えようとしてくれる、監督の意図が垣間見えます。実際に今も脈々と受け継がれる儀式をもとに、祭壇に写真を飾る意味、マリーゴールドの花びらを一面に敷き詰める意味を、とても分かりやすくおもしろく表現しています。そして、特筆すべきはそのこだわり、物語の準主人公とも呼べる曾おばあちゃんのそのリアルな質感、顔のしわをくしゃくしゃにして笑う姿、長く家族を愛し、支えてくたびれたその手つきのリアルさ、そこにもこの映画の深いこだわりを感じます。