パフューム ある人殺しの物語

パフューム ある人殺しの物語

『パフューム ある人殺しの物語』(原題: Perfume: The Story of a Murderer )とは、2006年のドイツ・フランス・スペインのサイコスリラー映画。日本での公開は2007年3月3日。公開監督はトム・ティクヴァ。ベン・ウィショーとダスティン・ホフマンなどが出演している。原作はパトリック・ジュースキントの1985年の小説『香水 ある人殺しの物語』。
18世紀のパリを舞台に、生まれながらにして超人的な嗅覚を持つ香水調合師が、究極の香水を生み出すために犯したタブーを描く。

hachisyuのレビュー・評価・感想

パフューム ある人殺しの物語
10

シュールで美しいサイコパス殺人犯の物語

天才的な調香師が一目惚れした女性をうっかり殺してしまい、その女性の匂いを再現した香水を作るために連続殺人を犯す物語です。

中世のフランスが舞台ということもあり、建築物や衣装のディテールが凝っていて見ているだけでもため息が出るくらいの映像美があります。香水の作り方も作中で説明されており、花のオイルを抽出するシーンや香料を混ぜ合わせるシーンなどが鮮やかに描かれています。
それだけの美しさがありながら、登場人物が本当にしょうもないといいますか…。主人公の才能に目をつけて金儲けをしようとする老人や、貧民を奴隷のように扱う雇用主、主人公を産んだはいいものの自分が生きるために切り捨てようとする母親など、映像の美しさとは対比的に人間の醜さが表れています。そんな中で主人公も自分の欲求を満たすためだけに何人もの女性を手にかけるわけですが、動機が動機なだけに怖い!殺した女性から抽出した香料をうっとりとした顔で嗅ぐ主人公、俳優さんもすごかったです…。明らかに主人公が悪いのに、あまりに純粋な変態性を見せつけてくるため逆に応援したくなる、こんな映画は初めてでした(笑)
エンディングはかなりシュールなことになっています。ぜひこの物語の結末はご自身の目で確かめてみてください。